高齢者にとってQOLの高さとは、日々をできる限り自分らしく快適に過ごすことで実感できるものです。
そのためにまず大切なことは、自分でできることやできそうなことは可能な限り本人にやらせてあげることです。
食事の介助やトイレ、着替えなど日常生活の様々なシーンで高齢者の介護をしていると、時間の無さやもどかしい気持ちなどからついつい介助の手が出てしまうことがあります。
しかし本人にやる気があり、時間をかければ行える動作であれば高齢者本人にやらせた方が身体機能の維持と同時に充足感が得られます。
手伝いたくなる気持ちをぐっとこらえ、励ましや賞賛の言葉がけを増やしていくと良いでしょう。
また家族以外の世界と触れることも高齢者のQOLを高めていけます。
自分の足で歩いて散歩ができるのであれば、付添をつれて四季の移り変わりに話を弾ませてみたり、近所の人と世間話を楽しむのも良いでしょう。
病気の後遺症や認知症などで会話が難しい場合でも、家以外の場所で外の空気に触れることはストレス発散効果が期待できるのでおすすめです。
状況に応じて、デイサービスセンターなどでプロの力を借りて高齢者本人と介護を行う家族の息抜きをすることも大切です。
介護はする側もされる側もストレスを抱え込みやすくお互いに攻撃的になってしまうケースも多いため、ヘルパーなど専門家の手を借りながら、可能な限り無理なくストレスを溜め込まない環境で日々を過ごしていくことが求められます。